最新のFPCによる高密度実装技術
掲載誌:電子材料 1994年5月号/著者:田中康行/発表年:1994年
FPCは、1960年代後半にPTFEやポリイミドをベース基材として、その優れた特性を生かし、宇宙開発、航空機産業用途に開発、採用された。次いで主として、コンピュータ周辺機器に応用展開されたが、FPCの機能としてはワイヤーハーネスの代替品と考えられていた。ディスクリート素子は、ピン挿入タイプであり、FPCの裏面に実装穴を設けた硬質補強板を張り合わせて、部品実装が行われた。
1970年後半頃、SMT実装技術が確立されるとともに、FPCが本格的に実装基板として採用されはじめ、電子制御一眼レフカメラへの応用を契機に飛躍的な成長を遂げてきた。
近年、マルチメディアに代表されるような電子機器の高機能、多機能化が進んでいる。半導体の分野では、インテルのペンティアムの例にみられるような高集積、高速ICが実現した。実装技術の分野では、従来の実装方法ではICの性能を十分発揮させることができないために、実装ハイアラーキーそのものを見直す動きにある。その一つの方向は、ICパッケージングの多ピン、高精細化、あるいはBGA化であり、他はベアチップへの基板へのダイレクト搭載、いわゆるCOxやMCMの方向である。
ここでは、こうした高密度、高機能実装の要求に応える、最新のFPCの技術動向について、レーザー加工技術、フォトリソ技術による高精細穴あけ、外形加工、バイア形成について述べ、その応用例として新しいFPCの部品実装用接続構造を提案し、またすでに実用化の始まっている多層FPCについてその概要をまとめた。
マイクロFPCの標準仕様
導体幅 | 最小50μm |
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導体間隔 | 最小50μm |
穴径 | 最小50μm |
外形 | 最小200μm |
導体と外形との距離 | 最小15μm |
導体と外形の位置公差 | ±10μm |
基板材料 | 最小厚み1/2milポリイミド |
表面保護膜 | 最小厚み1/2milポリイミド |
表面処理 | 金メッキ、ハンダメッキ |
端子構造 | マイクロパッド、フライング、リード、ハンダバンプ |