パッキン

パッキンはどのように選定したら良いですか?

ピストン専用パッキン、ロッド専用パッキン、ピストン・ロッド両用パッキンがあります。
使用圧力・使用油・温度などの使用条件に応じて選定してください。

ダストシールはどのように選定したら良いですか?

使用温度・耐ダスト性などの使用条件に応じて選定してください。

パッキンの耐圧は?

耐圧は型式ごとに異なります。
また、バックアップリングの有無で耐圧が異なります。

パッキンの使用温度範囲は?

使用温度範囲はゴム材料ごとに異なります。
詳細はカタログ14~19ページをご参照ください。

パッキンの使用速度範囲は?

使用速度範囲は型式ごとに異なります。
詳細はカタログ14~19ページをご参照ください。

パッキンの使用可能ストロークは?

2000mm以下を目安としてください。

Uパッキンと組合せシールがありますがどのように使い分けるのですか?

Uパッキンはシール性を優先したものです。
組合せシールは取付けスペースの縮小・しゅう動抵抗の低減を狙ったものです。

  • JIS規格の漏れ量(シール性)のデータ
    カタログ252ページ〈表H-1〉
  • しゅう動抵抗のデータ
    カタログ256ページ〈図H-8〉
     Uパッキン(UPH型、OUHR型)と組合せシール(SPG型)の比較データ

バックアップリングはどのような時に使用するのですか?

使用圧力が高い時にバックアップリングを使用します。
ピストンとシリンダーのすき間やロッドとハウジングのすき間に、パッキンがはみ出してキズが発生するのを防ぐためです。
詳細はカタログ24~25ページをご参照ください。

バックアップリングの材料はレアフロンとポリアミド樹脂がありますが、どのように使い分けるのですか?

主にレアフロンを使用します。
より高い圧力の時には変形に対する剛性が高いポリアミド樹脂を使用します。
詳細はカタログ24~25ページをご参照ください。

ウエアリングはどのように選定したら良いですか?

ウエアリングはピストンとシリンダのかじりを防ぎ、偏心を小さくしてパッキンの耐久性を向上させる目的で使用します。
詳細はカタログ26~27ページをご参照ください。

空気圧用パッキンはありますか?

ございます。
詳細は空気圧用パッキンカタログをご参照ください。

標準的なシリンダに使われるパッキンの使用例は?

JIS標準シリンダのパッキン使用例については、カタログ41~43ページをご参照ください。

高圧でダストの多い環境で使われるパッキンの使用例は?

代表的な使用例として、油圧ショベルのシリンダ用パッキンがあります。
詳細はカタログ44~45ページをご参照ください。

衝撃圧が高い環境で使われるパッキンの使用例は?

代表的な使用例として、ブルドーザと射出成型機のシリンダ用パッキンがあります。

  • ブルドーザのシリンダ用パッキン使用例
    カタログ46~47ページ
  • 射出成型機のシリンダ用パッキン使用例
    カタログ50~51ページ

パッキンやダストシールの材料と使用流体の相性を教えてください。

ゴム材料と使用流体の相性については、カタログをご参照ください。

  • シール対象油・水との相性
    カタログ34~37ページ〈表C-1〉〈表C-2〉
  • 油・薬品の具体的な銘柄との相性
    カタログ272~292ページ

ウエアリング・コンタミシール・バックアップリングの樹脂材料と使用流体の相性を教えてください。

樹脂材料と使用流体の相性については、カタログをご参照ください。

  • シール対象油・水との相性
    カタログ36~37ページ〈表C-2〉
  • 許容温度範囲の目安
    カタログ22~23ページ〈図B-6〉

シリンダチューブの内面の粗さは?
また、加工方法は?

内面粗さは0.4~3.2μm Rz(0.1~0.8μm Ra)をお奨めします。
加工方法はバニシ仕上げ又はホーニング仕上げが一般的です。
潤滑条件が良くない場合は バニシ仕上げとしてください。
バニシ仕上げの詳細はカタログ268ページをご参照ください。
また軸方向に目がそろった仕上げ面となることは避けてください。

シリンダーロッドの表面粗さは?
また、加工方法は?

表面粗さは0.8~1.6μm Rz(0.2~0.4μm Ra)をお奨めします。
鋼を熱処理後に硬質クロムめっき、バフ仕上げしたものをお奨めします。
建設機械など土砂や小石によるキズの発生が想定される場合は表面硬度60HRC以上としてください。

パッキン溝の表面粗さは?

パッキンの型式寸法により異なります。
詳細はカタログ59~226ページの寸法表にある図をご参照ください。
パッキンに“きず”をつけないよう溝の角部に “ばり”や“きず”が無いように加工してください。

ピストン外径とシリンダチューブ内径のすき間寸法は?

これは『はみ出しすき間』と言いパッキンの型式、使用圧力により異なります。
詳細はカタログ59~226ページの寸法表にある図とグラフをご参照ください。
『はみ出しすき間』が大きい場合はバックアップリングをご使用ください。

シリンダーロッド外径とハウジング内径のすき間寸法は?

これは『はみ出しすき間』と言いパッキンの型式、使用圧力により異なります。
詳細はカタログ103~157ページの寸法表にある図とグラフをご参照ください。
『はみ出しすき間』が大きい場合はバックアップリングをご使用ください。

パッキン溝の設計は?

パッキンの型式により異なります。
一体溝で良いもの、分割溝とする必要があるものがあります。
詳細はカタログ59~169ページの寸法表をご参照ください。

ダストシール溝の設計は?

ダストシールの型式により異なります。
抜け止めが必要なものと必要ないものがあります。
詳細はカタログ171~207ページの寸法表をご覧ください。

パッキンの装着方法は?

パッキンの種類により装着方法が異なります。
詳細はカタログ229~234ページをご参照ください。

装着方法の掲載ページ一覧表

種類 溝構造 アイアンラバー
Uパッキン
ニトリルゴム
Uパッキン
組合せシール その他のパッキン
ピストン用パッキン
 (装着例 2-1)
一体溝 装着方法A
(F-3ページ)
装着方法B
(F-3ページ)
装着方法C
(F-4~6ページ)

Cパッキン:
装着例 2-3
(F-8ページ)

Vパッキン:
装着例 2-4
(F-8ページ)

バッファリング:
装着例 2-5
(F-9ページ)

分割溝 手軽で簡単に装着出来ます。装着方法D (F-6ページ)
ロッド用パッキン
(装着例 2-2)
一体溝 装着方法E
(F-6ページ)
装着方法F
(F-6ページ)
装着方法G
(F-7ページ)
分割溝 手軽で簡単に装着出来ます。装着方法H (F-7ページ)

ダストシールの装着方法は?

カタログ235ページをご参照ください。

シリンダを組み立てる際の注意点は?

カタログ236ページをご参照ください。

シリンダーチューブ端部の形状は?

パッキンの型式寸法により異なります。
詳細はカタログ59~226ページの寸法表にある図をご参照ください。
パッキンやウエアリングに“きず”をつけないよう面取りを設けてください。

一般的なパッキンの漏れ量は?

使用条件により異なりますが、漏れ量のJIS規格があります。
詳細はカタログ252ページをご参照ください。

作動圧力が低いパッキンの型式は?

最低作動圧力の測定データがあります。
詳細はカタログ255ページ〈表H-6〉をご参照ください。
組合せシールが有利なデータとなっています。

パッキンのしゅう動抵抗は?

ピストンパッキンのしゅう動抵抗の測定データがあります。
詳細はカタログ256ページ〈図H-8〉をご参照ください。
組合せシールが有利なデータとなっています。

ロッドパッキンが短期間で摩耗・破損します。
対策は?

バッファリングを併用することにより、衝撃圧力の緩衝、油温伝達の抑制できます。
また、しゅう動発熱の軽減に効果があり、耐久性を向上させることができます。
詳細はカタログ259ページをご参照ください。

【バッファリングを使用したシーリングシステム例】

  • ①ハウジングへの圧入
  • ②軸の挿入

微小ストロークで使用できるパッキンの型式は?

しゅう動材料に自己潤滑性の優れたレアフロンを用いた組合せシールを推奨します。
微小ストロークの場合、油膜破断(潤滑油ぎれ)が生じ、パッキンの異常摩耗が発生することがあるためです。
詳細はカタログ260~261ページをご参照ください。

シリンダを動かすとスムーズに動かず、振動と異音が発生する。
原因と対策は?

スティックスリップの可能性があります。
スティックスリップは、パッキンのしゅう動面に瞬間的な固着とすべりが周期的に発生する現象で、振動と発音現象(共鳴音)が発生することがあります。
発生しやすい条件、対策例などの詳細はカタログ264ページをご参照ください。

組合せシールをピストンに使用するときの注意事項は?

シリンダの圧力を徐々に上げる使い方や、両側に圧力をかけて差圧で動かす場合等には注意が必要です。
まれに吹き抜け漏れ現象が発生する可能性があるためです。
事例、対策例などの詳細はカタログ266ページをご参照ください。

パッキンはどうして漏れないのですか?

往復動用パッキンのしゅう動面には油膜が必要です。
ロッドシールの例では、ロッドが大気側に出る際は油膜が薄く、油圧側に戻る際は油膜が厚くなるようにパッキンが設計されています。これにより、外部への漏れは見かけ上発生しないことになります。
詳細はカタログ10ページをご参照ください。

パッキンを組み込む際に塗布する潤滑剤は?

使用する密封対象油を塗布してください。
弊社ではNOKクリューバー潤滑剤のお取り扱いもございますので、ご購入窓口にご相談ください。